東京大学アタカマ天文台(TAO)は、チリ共和国・アタカマ地方にある標高5,640mのチャナントール山山頂(TAO望遠鏡サイト)に口径6.5mの大型赤外線望遠鏡を建設・運用する計画です。TAO計画は、遠方宇宙から太陽系まで幅広く天文学・天体物理学における最先端の研究を行うのみならず、大学による次世代研究者育成もその大きな目標としており、開発・観測環境の両面で若手の育成に力を入れています。また、日本の競争力・発信力を高め、リーダーシップを発揮するのにも重要なプロジェクトです。
標高世界一の天文台としてギネス世界記録に登録されたTAO望遠鏡サイトでの建設作業が進み、エンクロージャを含めた山頂施設が完成したことを受け、TAO望遠鏡の運用に向けた安全と成功を祈念して2024年4月30日にチリ共和国の首都サンティアゴにてTAO望遠鏡サイト完成記念式典が開催されました。
当社は、この天文台施設の設計とCM(コンストラクションマネジメント)を担当、完成記念式典に出席し感謝状を受領しました。
TAO山頂施設(画像協力:東京大学TAOプロジェクト)
TAO望遠鏡サイト山頂施設の建設工事において、チリの超高高地では作業に厳しいルールがあり、酸素の常時吸入や特殊健康診断の受診などが義務化されています。これまで建設に関わったチリと日本人の作業員はこれらのルールを守り、全員が酸素ボンベを背負い、酸素の薄い過酷な状況の中、工事を行いました。
工事の様子(画像協力:東京大学TAOプロジェクト)